新卒で入社した人のうち
約3割の人が3年以内に離職する
と言われて久しいですね。
以前よりも多くの人が
転職活動をしたことがある
時代なんじゃないかなって思います。
転職活動の面接で
質問されることの中でも、
退職理由はどちらかというと、
どう伝えたらいいか分からない
本音を言ったら不採用になりそう
できれば突っ込まれたくない
といったような
ネガティブなイメージがあるように思います。
でも私は、退職理由を伝えることに対して
もの凄くプラスのイメージを持っていて、
退職理由を通して自分を見つめ直す
ことをしなかったら
絶対に発見できなかったと思えるほど
退職理由を考えることに魅力を感じています。
このことを知って頂くと
もしかしたら退職理由を聞かれることを
ネガティブに感じていらっしゃる方も
退職理由を考えるのって大事だな
と思ってもらえるかもしれません。
退職理由がうまく言えない・・・。正社員の転職活動に苦戦した20代のクライアントさんがさらっと採用されちゃった、キャリアコンサルタントが教えるとっておきの方法
ぜひ最後まで
お付き合いいただけたら嬉しいです。
目次
面接で前職の退職理由をきかれると答えに困る
私は、これまで15年ほど
20代~30代のクライアントさんの
キャリアコンサルティングをしてきました。
・入社した会社を1年ほどで退職し、次を探したい
・ずっとフリーターだったけど正社員になりたい
・現職中だけど、転職を考え始めている
といったような
色々な想いを抱えた
沢山のクライアントさんと
面談でお話しします。
その中でも、
Kさん(女性・27歳)
とのエピソードです。
私、前職は販売職をしていたんですけど、オフィスワークをしたいと思って転職をすることにしたんです。
その後、半年ほど転職活動をしてるんですけど、うまくいかなくて・・・。
「前職は」ということは、今は離職しているのかな?
転職先が決まったら辞めるのがいいって言われたんですけど、
仕事しながらの活動だと自分に余裕が持てなさそうで・・・
退職してから動き始めたんです。
半年間を振り返ってみて、これが敗因かなぁって思うところはある?
多分なんですけど、前職の退職理由を突っ込まれると曖昧になってしまうところかなって思います・・・。
転職活動をスタートした頃は、こんな感じで伝えてました。
(転職活動をスタートしたばかりの頃)
事務職だって納期に追われたりするよ?大丈夫?
確かに、「ノルマがきつかったから」の部分だけ伝わってしまうと、
どんな仕事でもキツイ所はあるけど乗り越えられない人なんじゃないか?
って思われてしまう可能性が高いかもしれないなぁ。
なんとか採用されたい!“やりたいことが見つかったから”を理由にしてみる
多くの場合、
企業から不採用の理由を
伝えらえることはありません。
もちろん、
企業ごとに採用したい人のイメージは違うので、
「これが理由!」
と決めつけることはできないのですが、
数社受けても
不採用が続いている場合、
何か共通した原因があるかも
と考えてみることが大事だと、
私は考えています。
Kさんは、数社受けてみて、
退職理由を聞かれて答えると、
なんとなく面接官が納得していない
と感じていました。
ノルマがきつかった
というのは本音ではあるけど、
そのまま伝えたらダメなんじゃないか。
何か良い伝え方はないだろうか?
と自分なりに考えてみても、
なかなか思い浮かばない。
そんなモヤモヤとした
気持ちを抱えていたそうです。
それで、自分ひとりで考えるのは限界だなって思って、
友人に相談してみたんです。
色々考えた結果、「やりたいことが見つかったから」と伝えることにしたんです。
色々突っ込まれると答えが曖昧に。結局全て不採用
ノルマがきつかったから
というネガティブに受け取られがちな
理由を退職理由にするのではなく、
次にやりたいことが見つかったから
というポジティブな伝え方を
退職理由にしようと決めたKさん。
その後の面接では、
こんな出来事があったそうです。
(“やりたいことが見つかったから”を転職理由にしていた頃)
販売の仕事も楽しかったんですけど、
それ以上にもっとやりたいことが見つかったからです。
事務の仕事の方が自分に向いているんじゃないかと思ったんです。
それならなぜ、学生時代の就職活動で事務職を希望しなったの?
就職活動では事務職も受けていたんですけど、全て落ちてしまいまして・・・。
それで販売の仕事に就いたということなのかな?
事情は分からなくないけど、働き始めて3年も経っていないじゃない?
もう少し続けていたら、管理側の仕事とか任されたりもしたんじゃないのかな?
ほとんどが店長どまりなんです・・・。
そうでしたか、分かりました。
結果はやっぱり
不採用
でした。
「コツコツと何かをすることが好きで、
そんな自分を活かせる仕事
って考えた時に事務職に就きたいと思った。」
そんな風に
なんとか良く見せようと
頑張ったKさんでしたが、
細かく突っ込まれてしまうと、
あいまいな返答になってしまい、
今まで以上に
面接官が納得していない
状態になってしまいました。
プロに相談しよう。えっ?ネガティブなことって言っていいの?
退職理由が
ネガティブ伝わらないよう、
一生懸命考えて伝えても、
色々突っ込まれてしまい、
結局は不採用となって、
これ以上どうしたらいいの?
と落ち込んだKさん。
思い切ってキャリアコンサルタントの方に相談をしてみることにしたんです。
ありがとう。
これまで本当によく頑張ってきたね。
なんか空回りばっかりしちゃって、自分の何がいけないんだろうって考えてばかりで・・・。
こうやって相談しようと思っていること自体、素晴らしいと思うよ。
これまでのお話しを聞いていて、私が感じたことは、
「ネガティブなことも素直に伝えてみたら?」ってことなの。
ノルマがきつかったってこと、伝えちゃっていいんですか??
それがKさんの本音だったんだもんね?
伝えちゃったら不採用になるんじゃないかって思うんですけど・・・。
でもどうかな?「やりたいことが見つかった」を理由にして上手くいったかな?
もっと突っ込んだ質問が来て、曖昧な答えになっちゃいました・・・。
本当にやりたいことが見つかったというだけなら良いと思うけど、
きっと何か隠しているなぁってことが相手に伝わっちゃって、
余計に納得感が無い状態になっているんじゃないかなぁって思うよ。
じゃあ、どうしたらいいんでしょうか?
いま現在のKさんは、前職の退職理由についてどう考えてるのかな?
常連のお客様が自分を指名してきてくださったり、
好きな洋服に囲まれて仕事できたり。
でも、毎月毎月、売上数字を課されて
それを達成しなきゃいけないってことに対して、
仕事に就いてみたら自分が想像した以上にストレスで・・・。
学生時代の自分は甘かったなって思ってます。
そのまま伝えてみたらどうかな?
仕事の中でのやりがいは沢山あったけど、
正直、数字を追いかけることは自分にとって厳しかった。
振り返ると、学生時代にもっと仕事理解を深めていればよかったと反省している。
転職活動を通じて、そんな自分の甘さに気づいたからこそ、
改めて自分を見つめ直した時に、コツコツと人を支えていける事務の仕事をやりたいと思った。
こんな風に伝えてみてはどうかな?
これなら、自分の気持ちに嘘をつかず言えそうです。
やってみます!
ネガティブなことも伝えたら、採用の連絡がきた!
それから1か月後、
Kさんから嬉しい連絡が入りました。
希望していた事務職で
内定をもらえた
という報告でした。
希望のお仕事で内定もらえて良かったね~!
退職理由については納得してもらえた?
アドバイスいただいた通りに伝えてみたら、面接官の方が納得してくれていました。
しかも、その面接官の方も以前は販売の仕事をされていたみたいなんです。
ノルマのことも、あるあるって感じで話が盛り上がりました。
Kさんは、
私のキャリアコンサルティングの後、
1社目に受けた会社で、
内定を得る事ができたそうです。
販売の仕事でやりがいに感じていた
お客様との関係づくりを評価され、
営業事務のお仕事に転職されました。
ノルマの部分については、
学生時代の自分の甘さを伝えた上で、
短い時間の中でも数字意識をもって
仕事をした経験を活かしたいと伝え、
営業さんのサポートの立場で、
一緒に数字を作っていく存在になりたい、
そんな風にPRしたそうです。
ちゃんと自分の甘さに向き合った上で、
これからどうしていきたいかを考えることができました。
今は自信を持って次の職場で頑張っていけそうです。
そんな素敵な言葉で、
Kさんとのキャリアコンサルティングを
終えることができました。
大切なのは、過去の自分を今の自分がどう考えているか
退職理由を考えるとき、
ネガティブなことは伝えたくない、
伝えない方がいいんじゃないか、
そんな風に思う方は多いのかなって思います。
以前のKさんのように、
単に「ノルマがきつかったから」
とだけ伝わってしまっては、
面接官の納得は得にくいかも知れません。
だからといって、
本音を隠して取りつくろうとして、
ポジティブなことばかり並べても、
相手に見抜かれてしまったりもします。
大事なことは、
今の自分がどう思っているか
だと私は思います。
うまくいかなかった
辛かった
中途半端で投げ出した
そんな過去の事実を、
今の自分がどう受け止めているか。
その出来事があったからこそ、
自分の考え方が変わった、
だから今後はこうしていきたい。
しっかりと
自分の甘さや幼さに気づき、
向き合って考えたことを、
正直に伝えていくこと。
それが面接官にとっての、
納得に繋がるのではと思います。
何よりも、
退職理由を考えることは、
自分に向き合う大事なこと。
私のキャリアコンサルティングでは、
そんな風にお伝えをしています。
自信に満ちたクライアントさんの笑顔を見て、私自身も充実感でいっぱい
退職理由を考えるにあたって、
自分のことをしっかり見つめて、
そこから何かの気づきを得ると、
クライアントさんの表情は
とてもイキイキと
自信に満ちたものになります。
大学卒業後に入社した会社を
1か月という短い期間で
退職してしまったクライアントさんは、
どう答えていいか分かりませんでした。
入社した会社がブラックだったと批判していました。
でも、キャリアコンサルティングを受ける中で、
会社選びをした時の自分の甘さや、職場での自分の行動にも反省点がある、
ということに気づき、改めて、しっかり考えようと思えました。
そんな風に感じられて、
面接でもその気持ちを素直に伝え、
誠実な人柄と評価されて
内定を得ることができています。
私自身も、
クライアントさん達の
前向きな変化を目の当たりにして、
不安げな表情だった方が、
自信に満ちた表情に変わる
そんな姿を見ることが、
何よりの喜びになっています。
クライアントさんの
ストーリーを通じて、
私自身も成長させてもらっている
だからこそ、
もっと多くの方に、
自分を見つめることの大切さを
伝えていきたい
そんな想いで
キャリアコンサルティングを
させていただいています。
まとめ
退職理由がうまく言えない・・・。正社員の転職活動に苦戦した20代のクライアントさんがさらっと採用されちゃった、キャリアコンサルタントが教えるとっておきの方法
いかがでしたか?
退職理由を聞かれると、
うまく言えなくて、
面接で不採用が続いたKさん。
ネガティブなことを
言わない方がいいのでは?
と考えて、
やりたいことが見つかったから
を理由にしてみました。
でも、
自分の本音を隠していたので、
色々突っ込まれると
曖昧な返答ばかり・・・。
結局は、
相手の納得感が得られずに、
不採用の状態が続いていました。
そんなKさんが、
キャリアコンサルティングを通じて
自分の本当の気持ちと向き合い、
自分の甘さに気づいたことで、
過去の自分を乗り越えた自分
として伝えられるようになったのです。
自分の弱さや甘さに気づき、
それを受け止めた上で
次に進もうとする気持ちは、
面接のシーンだけでなく、
どんな場面でも、
周りの人の気持ちを動かす。
そんな想いで、
私はキャリアカウンセリングを
させて頂いています。
クライアントさんを通じた私の経験が
何かのヒントになったら幸いです。
P.S
転職活動、就職活動に迷いはつきものです。
1人で考えるより、
誰かに相談するとスッキリする
そんなこともあると思います。
不安なことやご質問ありましたら、
こちらからお問合せください。